注文住宅を建てる際、多くの人が「頭金はいくら必要だろうか」と、その準備に頭を悩ませるものです。
しかし、必ずしも多額の頭金を用意しなければ家づくりができないわけではありません。
資金計画をしっかりと立て、適切な方法を選べば、頭金なしで理想の住まいを実現する道も開かれます。
ここでは、頭金なしで注文住宅を建てることについて、その可能性と、メリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
注文住宅は頭金なしで建てられるか
住宅購入費用の1〜2割程度を頭金として用意することが望ましいとされるのは、あくまで一般的な目安であり、必須ではありません。
近年、住宅ローン市場では、購入者の多様なニーズに応えるため、より柔軟な融資を提供する金融機関が増加傾向にあります。
特に、住宅本体の建築費用だけでなく、登記費用、仲介手数料、印紙税、不動産取得税といった、家を建てる際に発生する様々な付随費用(諸費用)までまとめて借り入れられる「フルローン」といった商品が注目を集めています。
こうした融資商品の普及により、自己資金としてまとまった現金を準備することが難しい場合でも、頭金ゼロ、あるいはそれに近い状態からでも、注文住宅の建築を具体的に検討することが可能になっています。
資金計画次第で購入可能
頭金なしで注文住宅を建てることは、個々の経済状況や将来設計に基づいた、綿密な資金計画があってこそ実現します。
具体的には、現在の月々の手取り収入、毎月の固定費・変動費の把握、将来想定されるライフイベント(結婚、出産、子どもの進学、老後資金の準備など)への備えなどを詳細に洗い出す必要があります。
また、一般的に住宅ローンの年間返済額が年収の20〜25%(返済比率)に収まることが望ましいとされていますが、頭金がない場合は借入額が大きくなるため、この比率をさらに厳しく管理し、将来の予期せぬ出費にも対応できる余裕を確保できるかどうかが、無理のない返済計画を立てる上で極めて重要です。
物件の総額と借入額のバランスを慎重に検討し、家計への負担が過大にならないよう、総合的なシミュレーションを行うことが不可欠です。
フルローン利用で建築もできる
住宅ローンの中には、建物本体の建築費用や土地の購入費用といった主要な借入額に加え、家づくりや購入に伴って発生する様々な付随費用、いわゆる「諸費用」までまとめて一本化して借り入れられる「フルローン」という商品が存在します。
この「諸費用」には、例えば、登記費用、不動産業者へ支払う仲介手数料、印紙税、不動産取得税、火災保険料、引っ越し費用、家具・家電購入費用など、多岐にわたる項目が含まれます。
フルローンを上手に活用することで、自己資金をほとんど、あるいは全く用意することなく、建物本体の建築費用を賄うことが可能になり、手元の現金を温存しながら、希望するマイホームの実現へと大きく近づくことができます。

頭金なしで注文住宅を建てるメリット
頭金なしで注文住宅を建てることには、初期費用を抑えたいと考える多くの方にとって、いくつかの魅力的なメリットがあります。
手元資金を温存できる
頭金に充てる予定だったまとまった現金を、住宅ローンの支払いに回さずにそのまま手元に残しておくことができる点は、大きなメリットです。
この温存できた資金は、新居への引っ越し費用、新しい生活のための家具や家電の購入費用、あるいは住み始めてから必要となるカーテンや照明器具といった細かな部分の費用に充てることができます。
さらに重要なのは、将来的な不測の事態への備えとして、その資金を有効活用できることです。
例えば、急な病気や怪我による医療費、子どもの教育費の増加、あるいは失業や収入減といった予期せぬライフイベントに直面した際のセーフティネットとして、精神的な安心感をもたらしてくれるでしょう。
早期にマイホームを実現できる
頭金を貯蓄するためには、一般的に数年以上の期間を要することもあります。
しかし、頭金なしで家づくりを進めることができれば、その貯蓄期間を大幅に短縮し、ご自身のライフプランやキャリアプランに合わせて、より希望するタイミングで家づくりに着手することが可能になります。
例えば、結婚や出産といったライフイベントのタイミングに合わせて、あるいは転勤や転職の前に、といった具体的な計画に基づき、迅速にマイホームの完成と入居を実現できるようになります。
また、住宅ローンの返済開始時期も早まるため、完済時期を早めることも視野に入り、将来的な経済的負担を軽減できる可能性も高まります。
住宅ローン控除の恩恵が大きくなる
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末の住宅ローン残高の一定割合が、所得税や住民税から直接差し引かれる国の支援制度です。
この制度の恩恵は、年末時点での住宅ローン残高に比例して大きくなる傾向があります。
借入額が大きいほど、控除される金額も大きくなるため、頭金なしでより高額な住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン控除によって税金から差し引かれる金額も増え、結果として所得税や住民税の負担を大幅に軽減できる可能性が高まります。
これは、長期的に見れば、実質的な住居費の負担を軽減することに繋がります。

頭金なしで注文住宅を建てるデメリット
一方で、頭金なしで注文住宅を建てることには、いくつかの注意すべきデメリットも存在します。
これらを十分に理解した上で、慎重な判断を行うことが重要です。
ローン審査や条件が厳しくなる
頭金なしで多額のローンを組む場合、金融機関は融資の返済が滞る「貸し倒れ」のリスクをより慎重に評価します。
そのため、ローンの審査基準が、頭金を用意した場合よりも厳しくなる傾向があります。
申込者の年収、勤続年数、雇用形態、信用情報、他の借入状況などを総合的に確認し、返済能力が十分でないと判断された場合、希望する金額が借りられなかったり、当初の予定よりも高い金利が適用されたり、あるいは保証料が割高に設定されるなど、ローン条件が悪化する可能性も十分に考えられます。
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月々の返済負担が増加する
頭金は、借入元金を減らす役割を果たします。
そのため、頭金なしで住宅ローンを組むと、当然ながら借入額そのものが大きくなります。
この借入額の増加は、そのまま返済期間中の総支払利息の増加に直結するため、月々の返済額は、頭金を入れた場合と比較して必然的に高くなります。
この月々の高い返済額は、家計を圧迫する要因となり得ます。
例えば、日々の生活費のやりくりが厳しくなったり、将来のための貯蓄(教育資金、老後資金など)に回せる金額が減少し、計画通りの資産形成が難しくなることも十分に考えられます。
金利上昇のリスクが高まる
特に、住宅ローンの中でも金利が定期的に見直される「変動金利型」を選択した場合、借入額が大きいと、将来的に金利が上昇した際の影響はより甚大になります。
変動金利型ローンでは、金利が上昇すると、返済額のうち利息の割合が増加し、返済額自体が引き上げられることになります。
借入額が大きいということは、この金利上昇による利息負担の増加額も大きくなることを意味するため、家計の負担が想定以上に急激に増大するリスクが、より高まることになるのです。
まとめ
注文住宅を頭金なしで建てるという選択肢は、手元の現金を温存しながら、希望するタイミングで早期にマイホームを実現できるという大きな魅力があります。
また、住宅ローン控除の恩恵をより大きく受けられる可能性も、長期的な視点で見れば有利に働くことがあります。
しかし、その一方で、金融機関のローン審査が厳しくなる可能性、月々の返済負担が増加し家計を圧迫するリスク、そして特に変動金利型ローンを選択した場合の金利上昇リスクなど、慎重に検討すべきデメリットも確かに存在します。
頭金なしでの家づくりを進める際には、単に「初期費用がかからない」という点に飛びつくのではなく、ご自身の現在の収入状況、将来のライフプラン、家族構成の変化、そして家計の収支バランスなどを総合的に深く考慮し、無理なく継続できる返済計画を立てることが何よりも重要となります。
諸費用や将来的な支出、リスクまで含めて多角的に検討を進めることが、後悔のない理想の家づくりへと繋がるでしょう。
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