漆喰壁は、その独特の風合いや質感から、多くの住まいに採用されています。
特に、快適な室内環境を保つ素材として「調湿効果」への期待も寄せられることがあります。
しかし、その期待される効果について、詳しく知りたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
漆喰壁がもたらす空気感や、調湿性に関する実際について、掘り下げてみましょう。
漆喰壁の調湿効果は限定的か
現代の漆喰壁の調湿性能
現代の漆喰壁に期待される調湿効果は、一般的に限定的であると考えられています。
漆喰自体は、湿度の高い時には水分を吸収し、湿度の低い時には放出するという性質を持っています。
しかし、その効果を発揮する上で重要なのが、壁の厚みと下地の素材です。
現代の住宅で壁の仕上げ材として塗られる漆喰の厚みは、一般的に1mmから2mm程度と薄いため、漆喰単体で大きな調湿性能を発揮することは難しいのが現状です。
昔の漆喰壁と現代の壁の違い
昔の住宅では、壁の下地として土壁が用いられることが一般的でした。
土壁は数十センチもの厚みがあり、それ自体に高い調湿能力を備えていました。
そのため、その上に塗られた薄い漆喰と土壁が一体となって、壁全体として調湿効果を発揮していました。
しかし、現代の住宅では、壁や天井の下地材として石膏ボードが広く普及しています。
石膏ボードにはほとんど調湿性がありません。
そのため、現代の漆喰壁においては、薄い仕上げ材である漆喰自体の性能が、壁全体の調湿性能を左右することになります。
調湿建材のJIS基準
調湿建材には、日本工業規格(JIS)によって定められた基準があります。
一般的に、調湿建材として認められるためには、24時間あたり1平方メートルあたり70g以上の吸放湿性能が求められます。
しかし、漆喰の吸放湿性能は、一般的に40g程度とされており、このJIS基準を満たさない場合が多いのが実情です。
このことから、漆喰は厳密には「調湿建材」とは呼べないという見解もあります。

漆喰壁の調湿効果をどう考えるか
漆喰壁の調湿メカニズム
漆喰は、主成分である消石灰が空気中の二酸化炭素と反応して徐々に硬化していく性質を持っています。
この硬化プロセスは長期間にわたり、年数が経つにつれて漆喰はさらに硬くなり、調湿性能は低下していく傾向にあると考えられています。
また、湿気の移動は、絶対湿度の高い場所から低い場所へと自然に起こる物理現象です。
漆喰壁もこの原理に従って吸湿・放湿を行いますが、その能力は限定的であり、壁の厚みや下地の構造に大きく左右されるため、常に快適な湿度を保つための主役となることは難しいと言えます。
調湿を期待するなら他の素材も検討
もし、調湿効果を最も重視するのであれば、漆喰以外の建材も検討することをおすすめします。
例えば、珪藻土を主成分とした塗り壁材は、漆喰よりも高い調湿性能を持つ製品が多く存在します。
ただし、珪藻土であっても製品によって性能は異なるため、JIS基準などの客観的なデータを確認することが重要です。
調湿性能を最優先に考える場合は、これらの素材の中から、ご自身の住まいの環境や求める性能に合ったものを選ぶと良いでしょう。
漆喰を選ぶ他の理由
調湿効果は限定的かもしれませんが、漆喰壁が根強い人気を持つのには、それ以外の魅力があるからです。
漆喰独特のフラットで滑らかな質感や、時を経るごとに変化する風合いは、他の素材にはない美しさがあります。
また、古くから日本の建築に用いられてきた歴史や、その素材への憧れから漆喰を選ぶ方も少なくありません。
調湿性能に過度に期待せず、漆喰ならではの意匠性や美しさを楽しむという視点で選ぶことも、漆喰壁の価値と言えるでしょう。

まとめ
漆喰壁の調湿効果について見てきましたが、現代の住宅においては、その性能は限定的であると言えます。
昔の土壁下地とは異なり、現代の石膏ボード下地では、薄い漆喰仕上げ材単体の調湿能力に頼ることになり、JIS基準を満たすほどの効果は期待しにくいのが現状です。
調湿を主目的とするならば、珪藻土などの他の調湿建材を検討する方が効果的かもしれません。
しかし、漆喰には、その独特の質感や風合い、歴史に裏打ちされた美しさといった、調湿性能とは異なる大きな魅力があります。
これらの点を踏まえ、ご自身の住まいへの理想や目的に合わせて、漆喰壁を選ぶかどうかを判断されることをお勧めします。
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