新築やリフォームを検討する際、収納計画は重要なポイントです。
限られた空間を最大限に活用し、暮らしやすく快適な住まいを実現するためには、収納の工夫が欠かせません。
その選択肢の一つとして注目されているのが「造作収納」です。
今回は、造作収納とは何かを解説し、メリット・デメリット、種類、選び方のポイント、そして設置場所の提案まで、分かりやすくご紹介します。
造作収納とは何か?その魅力と注意点
造作収納のメリット
造作収納最大のメリットは、空間を無駄なく活用できる点です。
家の間取りや形状に合わせてぴったりとサイズを調整できるので、デッドスペースを解消し、収納力を大幅に向上させることが可能です。
既製品の収納家具では対応できない、天井の勾配や壁の凹凸なども有効活用できます。
さらに、デザインの自由度も高く、部屋のインテリアに合わせた素材や色、デザインを選択できるため、統一感のある美しい空間を演出できます。
例えば、木製の温かみのある造作収納は、ナチュラルな雰囲気の部屋に最適です。
一方、スタイリッシュな金属素材の造作収納は、モダンなインテリアにマッチします。
また、造作収納は建物の構造と一体化して設置されるため、耐震性も向上します。
地震などの災害時にも、収納物が落下したり、収納自体が倒壊したりするリスクを軽減できます。
造作収納のデメリット
造作収納は、メリットの多さとは裏腹に、いくつかデメリットも存在します。
まず、費用が高額になる可能性がある点です。
オーダーメイドのため、既製品の収納家具と比較してコストが高くなる傾向があります。
特に大規模な造作収納の場合、予算を大幅に超える可能性も考慮する必要があります。
また、一度設置したら簡単に撤去・変更ができない点も注意が必要です。
ライフスタイルの変化に合わせて収納を調整したい場合、大掛かりなリフォームが必要になる可能性があります。
さらに、完成品を見るのは設置後になるため、イメージと異なる仕上がりになるリスクも存在します。
そのため、設計段階での綿密な打ち合わせが重要となります。
造作収納の種類と選び方のポイント
造作収納は、大きく分けて「大工工事」と「家具工事」の2種類があります。
大工工事は、現場で木材の加工から組み立て、設置までを行う方法です。
家の構造と一体化するため、統一感のある仕上がりになり、コストを抑えられる可能性があります。
一方、家具工事は、専門の家具工房で製作し、現場で設置する方法です。
デザインの自由度が高く、高品質な仕上がりを期待できますが、搬入・設置費用が別途必要になる場合があります。
どちらを選ぶかは、予算、デザインの好み、家の構造などを考慮して決定する必要があります。
選び方のポイントとしては、まず収納する物の種類と量を明確にすることが重要です。
本、衣類、食器など、収納する物のサイズや形状を把握し、それに合わせた棚のサイズや間隔を設計する必要があります。
また、将来的なライフスタイルの変化も考慮しましょう。
子供部屋の収納が必要なくなる、趣味が変わるなど、将来のニーズを見据えた設計が大切です。

造作収納を効果的に活用するための設置場所提案
キッチンにおける造作収納
キッチンは、多くの食器や調理器具、食材を収納する必要がある場所です。
造作収納を活用することで、限られたスペースを有効活用し、使いやすく整理されたキッチンを実現できます。
例えば、吊戸棚を造作することで、デッドスペースを有効活用できます。
また、カウンター下やシンク下の収納を造作することで、収納力を大幅に向上させることができます。
さらに、パントリーを造作することで、大量の食材を収納できます。
パントリーは、食品庫としてだけでなく、キッチン用品の収納にも活用できます。
リビング・ダイニングにおける造作収納
リビング・ダイニングは、家族が過ごす大切な空間です。
造作収納は、部屋の雰囲気に合わせたデザインで、収納とインテリアの両方を兼ね備えた空間を演出できます。
例えば、テレビボードを造作することで、テレビ周辺の配線をすっきり収納でき、見た目も美しくなります。
また、壁面収納を造作することで、本やDVD、ゲームなどをまとめて収納できます。
さらに、飾り棚を造作することで、お気に入りの雑貨やコレクションを美しくディスプレイできます。
寝室・洗面所における造作収納
寝室では、衣類や寝具の収納が重要です。
ウォークインクローゼットを造作することで、大量の衣類を収納し、すっきりとした空間を保てます。
また、ベッドサイドに小さな造作収納を設けることで、眼鏡やスマートフォンなどを置くスペースを確保できます。
洗面所では、タオルや洗面用具を収納する棚を造作することで、使いやすく清潔な空間を保てます。
特に、鏡の裏に収納スペースを設けることで、省スペースで収納力を高められます。
玄関・その他空間における造作収納
玄関は、家の顔とも言える場所です。
シューズクロークを造作することで、靴をすっきり収納し、来客にも好印象を与えます。
また、コート掛けや傘立てを造作することで、玄関をさらに使いやすくできます。
その他、階段下や廊下などのデッドスペースにも、造作収納を取り入れることで、収納力を大幅に向上させることができます。

まとめ
造作収納は、空間を最大限に活用し、快適な住まいを実現するための有効な手段です。
しかし、費用や変更の難しさなど、デメリットも考慮する必要があります。
この記事で紹介したメリット・デメリット、種類、選び方のポイント、設置場所の提案などを参考に、ご自身のライフスタイルや予算に合った最適な造作収納計画を立ててください。